靴のスタイルとデザインを知る! | 靴の取説
スタイルを知る!
バルモラル(内羽根)
靴の履き口がV字型に開き、ヒモで締めるドレッシーなタイプ。「内羽根式」ともいわれます。19世紀の中頃、英国のヴィクトリア女王の夫君、アルバート公がスコットランドのバルモラル城でデザインしたことが名前の由来といわれます。

ブラッチャー(外羽根)
1810年、プロシャ軍のブリュッヘルが軍靴用に考えたといわれています。履き口が外に開き、ヒモで締めるタイプ。「外羽根式」ともいわれます。バルモラルとともにレースド・シューズの基本形です。英国ではダービー型と呼ばれています。

サドル
船員の靴から取り入れられたといわれるデザイン。つま先はプレーンで、アッパーの中程に馬の鞍(サドル)を置いたような革の切り替えがあるのが特徴です。このサドル部分の色や素材を変えてコンビネーションにするものが多いカジュアルスタイルです。

スリッポン
ヒモやバックルを用いずに着脱するタイプのシューズです。フォーマルにも履けるプレーンなものから、ドレスアップもドレスダウンも出来る房飾りのついた「タッセル・スリッポン」、カジュアルな「ローファー」等、さまざまなデザインがあります。

デザインを知る!
プレーントウ
名前のとおり、つま先(トウ)に飾りのないプレーンなシューズ。靴の基本形といわれるデザインです。シンプルなデザインだけに、形や鳩目の位置等のバランスや革の良し悪し等、作りの良否が端的に表れます。

ウィングチップ
つま先の革の切り替えに使われる革片(チップ)が、翼(wing)のような形をしているので、この名がつけられました。つま先のブローグ(W型の模様穴飾り)も特徴で、「おかめ飾り」ともいわれます。クラシックな雰囲気を演出するのに適したシューズです。

ストレートチップ
つま先の革の切り替えがストレート、すなわち一文字飾りになったデザインのシューズです。切り替え部にはメダリオン(穴飾り)をあしらったものと、ないものがあります。 英国調のクラシックなデザインで、ウィングチップよりさらにドレッシーなシューズです。メダリオンのないものほど冠婚葬祭に適しています。

Uチップ/Vチップ
U字形の革片(チップ)を甲の切り替えに用いたデザインです。モカシンの一種であるところから「モカ」とも呼ばれ、外羽根式のUチップは「ブラッチャーモカ」とも呼ばれます。コーディネートの幅広さから、近年人気のデザインです。
一方、甲の切り替えにV字形の革片を使ったものが「Vチップ」。歩行時のウェイトシフトにあわせて靴の形を内ぶりに曲げた設計のため、U字形でなくV字形にデザインされています。Uチップよりもドレッシーな印象で、オシャレなビジネスマンに人気です。


モンクストラップ
「モンク」とは修道僧のこと。彼らが履く靴にヒントを得て大きめの尾錠留めをあしらった短靴を、この名で呼びます。ブリティシュトラッド・シューズですが、最近はスタイリッシュなデザインも多く、モード系のスタイルにあわせることもあります

ローファー
アメリカンカジュアルシューズの代表。「ローファー」とは怠け者という意味があり、その名前の由来はスリッパのように履けるデザインのため。大きな特徴は、コインの挟めるストラップがついていること。そのため、「ペニーローファー」とも呼ばれます。(ちなみにペニーとは1セントコインのことで、かつてコインをストラップのスリットに挟むオシャレが流行したことがありました)
現在では、ヴァンプの短いドレッシーなデザインのローファーも作られており、 カジュアルだけでなく、あらゆるシーンで履かれるポピュラーなシューズです。

タッセル
タッセルとは房飾りのこと。それを甲の中央に飾り付けた靴の総称です。モカシンタイプをタッセルスリッポンと呼びますが、つま先にウィングチップをつけたウィングタッセルと呼ばれるものもあります。


ワンポイント解答
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スーツに最適な靴はどれ?
スーツスタイルに合わせるなら、まずはヒモ靴つまりレースアップシューズをおすすめします。プレーントウ、ストレートチップ、ウィングチップなどのデザインは、さまざまなビジネスシーンにマッチします。
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ローファーはカジュアル専門?
確かにフォーマルなシーンにはあまりおすすめできませんが、ジャケパンのビジネススタイル等ではおすすめです。
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冠婚葬祭に適した靴は?
フォーマルな席にはストレートチップをおすすめします。メダリオン(穴飾り)のないもののほうが、よりフォーマルに適しています。
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まずはどんなデザインを揃えれば良いでしょう?
スーツに合わせるなら、Uチップはいかがでしょうか。ドレッシーな装いから、すこしくだけた印象まで、幅広いコーディネートで足元を演出してくれます。