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REGAL| ディアスキンが、一足の形になるまで。How Deerskin Takes Shape
スニーカーといえば、効率よく作られる量産品のイメージがあるかもしれません。確かに機械化が進んでいる分野ですが、私たちが理想とする履き心地を追求して最後にたどり着いたのは、職人の繊細な手仕事でした。
ディアスキン(鹿革)の魅力を最大限に引き出しているのは、効率とは対極にある、丁寧な生産背景です。ディアスキンという特別なレザーが、職人の手によって一足のスニーカーへと変わっていく—。その現場の静かな熱量と、確かな手仕事の風景をお伝えします。

私たちが素材に選んだのは、イタリアのタンナー「La Biesse Uno(ラ・ビエッセ・ウノ)」が手がけるディアスキン(鹿革)です。
ディアスキンに特化したタンナーがなめすこの革は、触れた瞬間にわかる、しっとりと吸い付くような質感が特徴。優れた柔軟性と強度のバランスから、本来はグローブや上質なレザーウェアなど、激しい動きへの「追従性」が求められる製品に重用されてきました。
身体の動きを妨げないしなやかさを、日常の一足へ落とし込む。そうすることで、足を入れた瞬間に優しく包み込まれるような、唯一無二のフィッティングを体感することができるのです。

この心地よいディアスキンの柔らかさは靴づくりではハードルになります。一つひとつ個体差があり、よく伸びる性質を持つディアスキンは、機械による一律の作業ではうまくコントロールできないからです。
この難しい素材を靴として形にするために欠かせなかったのが、熟練の職人による手仕事。指先で革の個性を読み取り、最適な力加減で仕立てていく。数値には表れない感覚を頼りに進めるその工程は、まさに素材との対話です。
日本製であること。そして、手仕事であること。それはディアスキンの魅力をスニーカーとして形にするための、ごく自然な選択でした。
裁断と下準備 │ 個体差の見極め


〈1. 金型準備〉 素材を大切に扱う姿勢の第一歩として、品番とサイズごとに金型を整理します。
〈2. 裁断〉 プレス機で革の部位を見定めて裁断します。
〈3. 革漉き(かわすき)〉 指先の感覚を頼りに、重なる部分を薄く削ります。
〈4. 芯貼り〉 質感を活かしながら、伸びを抑える芯地を貼ります。
〈5. ヘリ返し〉 洗練された印象に仕上げるため、ひと手間をかけて断面を見せないよう縁を折り込みます。
縫製 │ 一足の形を紡ぎ出すステッチ


〈1. パーツの縫合〉 幾多のパーツを縫い合わせ、靴を立体的に仕立てていきます。
〈2. ライニングの縫製〉 足を360°包み込む足あたりの良い袋状に縫製します。 ◎
〈3. ハトメ打ち〉 わずかなズレも許されない集中力のもと、目視で中央を狙って一点ずつ打ち込みます。
〈4. ハンドステッチ〉 靴に温かみを与える手仕事の証として、プルタブにステッチを施します。 ◉
〈5. アッパーの組み立て〉 平面だった革を、徐々に「靴」と認識できる形へと組み上げます。
◉ /83KL、84KLのみの工程です。
◎ /339W、341W、342W、324W、333Wのみの工程です。
釣り込み │ 木型に沿わせる、美しい成型


〈1. 中底の固定〉 土台となる中底を木型(ラスト)にセットします。 ◉
〈2. 芯材の貼り合わせ〉 美しさと歩きやすさの要となるパーツとして、爪先やかかとに形状を保つ芯材を貼り合わせます。 ◉
〈3. かかとの成型〉 靴の重心を左右する重要なステップとして、かかとを立体的に成型します。 ◉
〈4. 釣り込み〉 木型の先端に革を沿わせ、機械と手を駆使してしわなく釣り込みます。 ◉
〈5. サイドの釣り込み〉 機械でサイドを釣り込み、靴の輪郭をくっきりと引き締めます。 ◉
〈6. 手作業での横釣り〉 革の性質やデザインによっては、職人が自らの感覚で丁寧に釣り込みます。 ◉
◉ /83KL、84KLのみの工程です。
底付け準備 │ 美しさと耐久性のための下地


〈1. 底面プレス〉 底の形状に合わせて圧着し、アッパーと中底をしっかりと馴染ませます。 ◉
〈2. 形状の記憶〉 型崩れを防ぐため、じっくりと熱を加えて木型の形状を革に記憶させます。
〈3. 叩きならし〉 釣り込んだ部分の凹凸を叩いて平らに整えることで、ソールの収まりを良くします。
〈4. 起毛掛け〉 接着剤の付きを良くするため、ソールの接地面を粗く削り出します。
〈5. マーキング〉 専用機を使ってサイドの削り位置を正確にマークし、加工の精度を高めます。 ◉
〈6. 側面削り〉 マークに沿って一周回すように削り、流れるような動きで底面を整えます。 ◉
◉ /83KL、84KLのみの工程です。
底付け │ ソールとアッパーの一体化


〈1. アッパーの糊付け〉 接着強度を高めるため、アッパー側の接地面に糊を丁寧に塗り重ねます。
〈2. ソールの糊付け〉 アッパーとの密着度をさらに高めるため、ソールの接着面にも均一に糊を塗布します。
〈3. 貼り合わせ〉 手作業で位置を合わせ、隙間がないよう入念に叩き込みます。
〈4. 圧着〉 専用の機械で強力にプレスすることで、アッパーとソールをしっかりと一体化させます。
〈5. オパンケ縫い〉 デザイン性と耐久性を高めるため、ソールの縁にサイドステッチを施します。 ◉
◉ /83KL、84KLのみの工程です。
仕上げ │ 表情を引き出す、最後の手仕事


〈1. クリーニング〉 糊の跡などを丁寧に取り除き、革本来の純粋な表情を引き出します。
〈2. アンティーク加工〉 職人が下地の色を計算したうえで染料を落とし、深みのある陰影を表現します。 ◉
〈3. 見本との照合〉 ブレが出ないよう、見本と一足ずつ照らし合わせながら均一に仕上げます。 ◉
〈4. クリーム塗布〉 素材に潤いと栄養を補給し、ディアスキン特有のしっとりとした艶を引き出します。
〈5. 磨き上げ〉 高速回転するバフマシンで磨き上げることで、洗練された光沢を纏わせます。
◉ /83KL、84KLのみの工程です。
検品・梱包 │ 一貫生産の誇りを箱に詰めて


〈1. 最終検品〉 触診と目視による厳しいチェックを経て、中敷きや紐をセットし、一足に命を吹き込みます。
〈2. 一貫生産による管理〉 裁断から一足の靴が出来上がるまでの全工程を国内の工場で完結させます。
〈3. 梱包〉 お客様の元へ届く一足のストーリーを、丁寧な梱包で大切に包み込みます。






















